見どころ1
ミッフィーシリーズの絵本全32作品をたどる

1955年に誕生した『ちいさなうさこちゃん』(初版)から、2009年の『うさこちゃんのおじいちゃんへのおくりもの』まで、ブルーナさんが50年以上にわたって描き続けたミッフィーシリーズ。本展では、全32作品の原画やスケッチを日本で初めて一堂に展示します。素朴な線で描かれたミッフィーが、家族やお友だちとのあたたかいつながりの中でたくさんのことを経験していく様子を、1作品ずつ、みどころたっぷりにたどっていきます。

『ちいさなうさこちゃん』(初版)1955年

『ちいさなうさこちゃん』(改訂版)1963年 原画

『うさこちゃんひこうきにのる』1970年 印刷原稿

『うさこちゃんのゆめ』1979年 印刷原稿

『うさこちゃんとあかちゃん』2003年 印刷原稿

『うさこちゃんのおじいちゃんへのおくりもの』2009年 印刷原稿

見どころ2
3つの作品から「もっと、もっと」深く知るミッフィー

初来日となる『うさこちゃんおとまりにいく』(1988年)、『うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん』(1996年)の2作品に『うさこちゃんとたれみみくん』(2006年)を加えた3作品からは、特に多くの原画や資料を紹介します。
ブルーナさんのデザイン的な冒険や遊び心、おばあちゃんの死をまっすぐに描いた物語、お友だちとの身体的な違いからミッフィーが気づいたことと勇気ある行動。
考え抜かれたシンプルな色と線で、子どもたちに対してやさしく正直に向き合って生み出されたミッフィー絵本の大切なエッセンスを感じ取ることができます。

『うさこちゃんおとまりにいく』1988年 印刷原稿

『うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん』1996年 原画

『うさこちゃんとたれみみくん』2006年 印刷原稿

見どころ3
ブルーナさんが読む『うさこちゃんとうみ』を20年ぶりに公開

2005年に開催された「ミッフィー展」で紹介された、ブルーナさんが原語の「うさこちゃんとうみ」を読む映像を20年ぶりに再公開します。やさしく、ときにユーモラスなブルーナさんの声で、原語のオランダ語の物語の響きを味わうことができます。

『うさこちゃんとうみ』1963年 原画

見どころ4
アーティスト、デザイナーとしてのブルーナさん

アーティストを夢見ていた若きブルーナさんが描いた絵画作品をはじめ、父の経営していた出版社でデザインしたペーパーバックの装丁やポスターも展示します。デザインの仕事での挑戦が、ミッフィー絵本に与えた影響にもご注目ください。

『サックスを持つ男』 水彩画 1952年

〈ブラック・ベア〉シリーズ ポスター 1959年
BLACK BEAR ©︎ copyright: Dick Bruna

Dick Bruna ディック・ブルーナ(1927-2017)

オランダ・ユトレヒト生まれ。
絵本作家・グラフィックデザイナーとして世界的に活躍。
1953年に初めての絵本『de appel(りんごぼうや)』を発表して以来、2017年2月に生涯を閉じるまでに120冊以上の絵本を生み出した。
作品は全世界で約50の言語に翻訳され、8500万部以上のロングセラーとなる。

Photo: F.André de la Porte